新蔵ヒストリー

米から始まる日本酒の未来、農村(ふるさと)の未来

2021年夏、「日本酒の価値を高めたい」という同じ目的のもと、香港のシンフォニー社と吉田酒造は「永平寺白龍」を海外へ輸出するプロジェクトが始動しました。

吉田酒造は、1806年の創業以来福井県永平寺町で清酒・永平寺白龍を醸し続け、1990年からは自社で山田錦の栽培を開始し、現在は使用するすべての原材料米を永平寺町内で自社栽培または契約栽培で賄う純米酒蔵(すべての製品を米と水を原料にしている酒蔵)です。

日本酒の新しい価値

日本酒の価値を高めるために、私たちは自分たちでしか表現できない日本酒の新しい価値を提唱したいと考えています。

①「米のもつ潜在的な力を最大限に引き出した酒造りを追求する」
②「米作りから日本酒の販売までを世界規模で一気通貫して行う事業モデルを実現する」ことです。
そして、③「日本酒の新しい価値を、次世代を担う若い世代と一緒に実現する」ことを意識しています。

①「米のもつ潜在的な力を最大限に引き出した酒造りを追求する」

「大吟醸だから価値がある」「磨いた米を使用しているから美味しい」といった従来の日本酒の世界観とは異なる「原料米の長所を最大限に活かす米の磨き度合い、造り方を追求しているから美味しい」という世界観を確立することです。
年毎に変わる原料米の個性を理解し、その長所を活かすことは、自分たちで米を作っている私たちにしか表現できないことです。

②「米作りから日本酒の販売までを世界規模で一気通貫して行う事業モデルを実現する」

吉田酒造の行動指針である「目が届く、手が届く、心が届く」を世界規模で実現することです。
米作り、酒造りをする吉田酒造と、販売に特化したシンフォニー社が一緒に酒蔵を建て日本酒を販売することで、蔵から直接お客様へと最高品質のままお酒をお届けすることができます。
流通が難しい日本酒においても最後まで品質を落とすことなく美味しいお酒を世界の愛飲家にお楽しみいただけます。

初めて香港から白龍輸出の話をもらってから、たった2年で圃場は倍以上になり、新しい酒蔵が建ちました。
これは、私たちの力だけでは到底成しえることはできません。

一緒に米を作ってくださっている地元の米農家の方々、このプロジェクトが成功するよう力を貸してくださる行政の方々、財務面での支援をしてくださっている金融機関の方々、世界へ安定した品質を届けるために酒蔵を建設してくださった建設関係の方々、そして考えに共感し一緒にお酒を造ってくれる仲間。
その他たくさんの方々の力によって永平寺白龍は海外へと羽ばたきます。



「過疎地域」認定された田んぼが広がる農村から世界へ向けて、新しい価値で造られたい日本酒を発信できるってワクワクしませんか?地方にも希望が持てませんか?
永平寺白龍の瓶の中には、私たちが造る日本酒と一緒に永平寺町の美しい景観・風土・未来への希望が詰まっています。

飲んだときに「美味しい!このお酒ができた福井へ、永平寺町へ行ってみたい」と思えるようなお酒を私たちはこれからも造っていきます。