こだわり酒造り品質

大地を醸す。

永平寺町で200年以上暮らし、 自分たちで米を育ててきた私たちだからこそ、 米の魅力を最大限に引き出した、大地の滋味を豊かに感じられるお酒を醸すことができる。 「磨けば磨くほど良い」という価値観だけに縛られず その米のうまみが一番輝く磨き度合い・製造方法を追求します。

酒作りの流れ

  • STEP01

    洗米・浸漬

  • STEP02

    蒸し

  • STEP03

    麹造り

  • STEP04

    酒母造り

  • STEP05

    仕込み

  • STEP06

    もろみ管理

  • STEP07

    上槽・瓶詰め

  • STEP01

    洗米・浸漬

    農事部門からバトンを受け取った、製造部門はまず米を洗い丁寧に雑味の元となる糠を落とします。米が割れないよう、できるだけ冷やした地下水を使用し、気泡で洗います。
    また、吸水率を細やかに管理するため、米は10kgずつに小分けします。気温、米の品種、精米歩合などによって吸水スピードは変わるため、洗米担当者は過去のデータをもとに目標吸水率を目指して洗米・浸漬を秒単位でコントロールします。
    ※地下水は1年を通して16度。洗米に使用する水は7度まで冷やします。

  • STEP02

    蒸し

    蒸米はこれ以降全ての工程に使用されるため、蒸しの良し悪しがお酒の質に大きく影響してきます。
    特に麹に使用する蒸米は、「外硬内軟」(米の外側が硬く、麹菌の菌糸が伸びやすいよう内側が軟らかい)が好ましく、その状態を目指すために、吉田酒造では通常の蒸しを60分間行い、最後の仕上げに高温で乾燥した蒸気を米にあてます。
    蒸しは朝一番の仕事であり、早朝の蔵の周辺には米の匂いをまとった湯気が立ち込めます。多い日では500kgの米を蒸します。

  • STEP03

    麹造り

    手作業で粗熱をとった蒸米を「室(ムロ)」という室温約32度の部屋へ運び、酒質に合わせて選定した麹菌を振ります。菌が均一に蒸米に舞い降りるよう、空気を揺らすような動作や会話は一切禁止です。麹菌を振った蒸米は、一か所に固め一晩保温します。翌朝「盛り」という作業で米を一粒ずつ分離し、8kgずつ保湿ケースに小分けします。
    その後1回目の手入れで米に空気を入れ、2回目の手入れで木のケースに移し替え、水分を飛ばしていきます。麹の温度と水分量を細やかに管理することで、菌糸がしっかり根付き良い麹をつくります。

  • STEP04

    酒母造り

    仕込み後に大きなタンクで醪(もろみ)が健全に発酵するよう、まず小さなタンクでお酒の元となる「酒母」をつくります。
    普通速醸の場合、10~14日間かけて毎日温度を上げ下げしながら元気な酵母を大量に培養していきます。日本酒における酵母の役割は糖をアルコールに変換することです。
    吉田酒造の場合は、目指すお酒の酒質に合わせて、普通速醸、高温糖化、酸基醴酛などの酒母造りの製法を使い分けています。

  • STEP05

    仕込み

    酒母に、水、麹、蒸し米を「①初添え」→「②仲添え」→「③留添え」の順に3回に分けて加え、醪(もろみ)をつくっていきます。
    1度に全量を仕込んでしまうと、酒母で培養された酵母の濃度が薄まり、雑菌や野生酵母が繁殖する危険性があるため、3回に分けて徐々に仕込みます。これを3段仕込みと言います。
    吉田酒造では、より精度高く醪を管理するため、小さなタンクで総量750kg前後の小仕込みを採用しています。

  • STEP06

    もろみ管理

    仕込み後、杜氏は毎日朝夕2回醪の品温を計り、分析することで醪の状態を把握し、どのような操作が必要か判断します。
    杜氏の見守りのもと、醪は20~30日間かけて発酵していきます。
    仕込み直後は、お米の粒がはっきり見え硬く櫂入れも大変ですが、1週間程経つとぷくぷくと元気に発酵しタンクの中で流動します。刻々と変わるその姿は、まさに微生物がお酒を醸している様そのままです。

  • STEP07

    上槽・瓶詰め

    洗米から約1か月半後、搾りのタイミングとなります。醪を圧搾機の中へ通すと、酒粕と分けられた薄琥珀色の生酒が出てきます。微炭酸感の残るキラキラとした生酒は美しく、しずる感に満ちています。吉田酒造では、この搾りたての美味しさをそのままお届けするべく、搾った後すぐに1回火入れで瓶詰を行います。
    (搾り後、タンク貯蔵のために1回、瓶詰をする際に1回の合計2回火入れをすることが一般的)酒造りは搾って終わりではなく、瓶詰・貯蔵までお酒の品質をより良い状態で管理することが大切だと考えています。